思わず二度観、三度観したくなる心温まる素晴らしい作品でした。
天才と呼ばれる黒人ピアニストと大食いしか取り柄のない、しかし家族に愛され仲間に愛されるイタリア系アメリカ人ドライバーの2人が、人種偏見著しい1960年台の南部へ演奏れ旅行へ行くといくストーリーではあるが、黒人に対する差別は実は大きなテーマではない。むしろ主人公が後半慟哭するように「黒人でも男でもない自分」の矛盾を単純極まりないもう1人の主人公との交流を通じて僅かに解消していくところにラストシーンの鮮やかで温もりある状況へ連なってくるのだ。
実話を元にしているのではあるが、史実と違うとか、黒人のプライオリティについて蔑ろにしている、とか批判もあるようだが、一つの映像作品としてただ鑑賞すればこれほどレベルの高いものには滅多に出会えることはない。
「メリークリスマス」というセリフとクリスマスソング、雪降る街並みがこれほど家族と友情の温もりを上手に使ってる映画には久しぶりに出会った気がする。
しかしこういう良い作品を観てると、大金かけて名前だけで制作されている映画なんて馬鹿馬鹿しくて付き合ってられないですね。スピルバーグさんとか。昔は演出上手だったけどね。
0 件のコメント:
コメントを投稿